【 戦略がすべて:若い世代の戦略的思考とイノベーティブな発想 】
先日、「戦略がすべて」(滝本哲史著、新潮社)を読んだ。
以下は、一部抜群。(その2)
変化を担うのは若い世代である
本章の最後に、特に若い世代の働く人たちに向けて、「パラダイムシフト」についての話をしたい。
2030年の社会はきっと大きく変化しているだろう。その大きな変化は、高度成長を担ったような、それまでの延長線上でものごとを考えていれば済んだ時代の発想しかできない人には、理解できないと思う。
世の中の常識が「天動説」から「地動説」へとパラダイムシフトしたのは、ガリレオ・ガリレイをはじめとする科学者たちが地動説の正しさを証明したからではない。天動説を信じる人がほとんど死に絶え、地動説を信じる人たちへと世代交代したからだったのだ。
いつの時代も、世の中のパラダイムシフトは世代交代によって引き起こされてきた。不確実性が高まるこれからの時代、これから起きるパラダイムシフト的な大きな変化に向けて、20代、30代前後の世代が担うべき役割は極めて大きい。
高齢化が進む社会において、若い世代の人たちは、年上の世代の人たちが多くいるため、現在十分に力を出せていないかもしれない。特に企業社会においては顕著にそうだろう。けれども、若い世代の人たちは自分の出番が回ってくるのを待っていてはいけない。それでは、変化に取り残されるだけだ。
ぜひ、年長の責任ある役職の人を取り込んで、その人を立てつつも、実質は自分たちが主導しているくらいの“技”を身につけてほしいと思う。
若い世代の人たちには、とにかくアクションを起こしてほしい。新しいアイディアを会社に提案してみる、社内外の人的ネットワークを広げていく、新しい役割を引き受けてみる……。人によって方法が違うだろうが、目的意識を持って行動を起こすことが大事だ。その経験は、自分のポジショニングを考える戦略的思考や新しい仕組みを生み出すイノベーティブな発想の源泉となる。
若い世代の人たちの戦略的思考とイノベーティブな発想で、2030年の日本がよりよい社会になっていることを願っている。
また、彼らの上に立つ立場、世代の人たちはどうか若い人たちに上手に利用されてほしい。自分が彼らを活用するのではなく、彼らが自分を利用している、というぐらいでいい。明治維新をリードした薩長土肥各藩の藩主は、やや過激な若手にチャンスを与え、その結果、歴史に名を残した。アップルも、スティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアックという二人の若い創業者の裏には、インテルのベテラン、マイク・マークラがいたのである。
シニアの仕事は若手をうまく泳がせることである。若者が脚光を浴びるとき、裏にはベテランのパトロンがいるというのが歴史の真実である。
まとめ
・安易に起業を考えるよりも、社内の評価と会社の変革を考える。
・熟知している業界で足りないビジネスを始めることで、起業の成功性が高まる。
・上司を取り込んで仕事の主導権を握る“技”を身につける。
<感想>
若い人たちに上手に仕事の主導権を握られ利用されている「シニア」になれているだろうか?
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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