元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、会社の変化を主導する?

 

【 戦略がすべて:会社を時代に即して変えていく 】

 


 先日、「戦略がすべて」(滝本哲史著、新潮社)を読んだ。
 以下は、一部抜群。(その1)

 


「社内」というマーケットに評価されておく

 ……グローバル資本主義の下では労働がコモディティ化し、買い叩かれるリスクが増すだけだろう。

 

 だからこそ、不確実で厳しい未来においては、「自分の労働をコモディティ化させないこと」が重要になる。

 

 企業で働く人は、まず、「自分がいる会社を時代の変化に即して変えていくこと」に努力すべきだと思う。

 

 「会社ではなく、市場に評価される人材を目指せ」といった考え方も最近多いようだが、そもそも、企業自身が市場から評価されようと懸命に努力しているのだ。ならば、「市場からの評価」というリスクは会社にとらせ、自分は社内という狭い世界で評価されることを目指し、イニシアティブをとって会社の変化を主導する。そのほうが、一般の労働市場に打って出ていくよりも、個人にとってのリスクははるかに小さいはずだ。

 


今いる分野にこそビジネスチャンスはある

 たとえば、IBMのセールスマンだったロス・ペローは、コンピューターを使いこなせない顧客のために経理業務を受託する提案を会社に出した。ところが、会社側はマシーンを売る従前の仕事にこだわり、彼の提案を受け付けなかった。そこでペローはIBMを退職し、EDS(Electronic Data Systems)という会社を興し、ITアウトソーシングサービスの先駆者として大成功を収めている。

 

 これも米国の事例だが、マーケット情報を提供するブルームバーグという会社は、創業者のマイケル・ブルームバーグがトレーダー時代に感じていた、ロイターやダウ・ジョーンズのデータ提供サービスに対する不満を解消しようと考え、興した会社だ。現在はほぼ全ての金融業の会社が契約を結んでいる。

 

 これらの事例が教えてくれることは、自分が属する業界のことを知りつくし、かつ、新しい仕組みについてのアイディアを持てば、起業は成功する確率が高いということだ。(逆に言うと、そうした下地がないところで起業しても成功する確率は極めて低いということだ)。

 

 不確実性のリスクを下げるためには、(ペローやブルームバーグのように)自分のいる場所を徹底的に再点検すべきだ。その上で、自分の労働をコモディティ化させないために、新しい仕組みのアイディアを持つことを目指すべきなのだ。この条件が整えば、あなたが“置き換えられてしまう側”に立つリスクは大きく減るだろう。

 

 勘違いしないでほしいのだが、私は起業をすすめているのではない。真に大切なのは、自分のポジショニングの点検と、新しい仕組みというイノベーティブな発想ができるかという点だと理解してほしい。

 


<感想>
 業界を知りつくして、新しい仕組みのアイディアを持って、会社の変化を主導できれば、自分がコモディティ化されることはない。

 

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