いきものがかりの水野良樹さんが、HIROBAの新公式サイトに、鷲田清一さんとの対談を掲載していた。
以下は一部抜粋。(その4)
https://hirobaweb.com/washidakiyokazu_4/
鷲田清一(哲学者)第4回
鷲田:ただね、友だちとか相談相手っているじゃないですか。話をよく聞いてくれるし、よくわかってくれるように思えるひと。たとえば、僕が言い淀んでいるとき、「こういうことが言いたいんじゃないの?」とか「こう思ったんじゃないの?」とか言ってくれるひと。こちらはそれに飛びつくわけです。
水野:はい。
鷲田:でも、その聞き方ってヤバいなと思っていて。つまり、本来は僕が必死で苦しんで、物語らないといけない部分を代わりに物語ってくれるから、僕は楽になれて、乗っかってしまう。その瞬間はすごく感謝するんですよ。「ああ、こいつ本当に俺のことよくわかってくれている。よく見てくれているな」って。だけど自分でそこにたどり着いていないから、彼がいないときに同じ状態に陥ったら、元の木阿弥になってしまうということがあってね。だから聞き手が言葉を横取りしたり、物語をつくって返してあげたりするのは、本当に危ないなって。
水野:あぁ…。
鷲田:相手がうまく言葉にできなくて苦しんでいるとき、聞くほうもしんどいんですよ。沈黙もしんどいし。だからつい言葉を迎えに行ってしまう。でもそれは根本的な解決にならないんです。とにかく結論を出さないまま聞いて、「そんなふうに思うのかぁ」とか返してあげるほうが大事なのかなと思います。
親子でもそうですよね。親が子どもに面と向かって、「何を悩んでいるの?」とか聞いても、なかなか子どもは言いにくい。だけどお母さんがキッチンでまな板に向かっているときとか、家計簿をつけているときとかに、肩越しに「あんなぁ…」って。横からボソボソ言うシチュエーションだったら、子どももちょっと話せたりする。聞いていないふりして、本当は聞いているぐらいのさりげない感じが、話すほうとしてはいちばん楽なのかなって思います。
<感想>
プライベートで悩んでいる場合には、鷲田さんの言われる通りだと思われるが、もしビジネスでもそうだとすると、危ないことをしていることになりそうだ。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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