元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、女性の地位を切り拓く?

 

【 大学入試問題で読み解く「超」世界史 】

 


 先日、『大学入試問題で読み解く「超」世界史・日本史』(片山杜秀著、文藝春秋)を読んだ。

 以下は、一部抜粋。(その3)

 


【問題4】ナチス政権誕生の背景

 ナチ党が1930年代に急速に国民の支持を得ていったのはなぜか。ヒトラー政権の経済政策とその効果という側面について、所定の欄の範囲内で具体的に説明しなさい。
慶応義塾大学経済学部 2014年度 世界史)

 

 ナチ党は、四カ年計画の実施による軍需工業の拡張や、アウトバーン建設などの土木事業によって、失業者を急速に減らしていった。(60字)

 


【問題5】女性参政権1920年前後に実現した理由

 アメリカ合衆国以外の各国においても、この1920年前後に、女性参政権が実現した国が多い。なぜこの時期に多くの国々で女性参政権が実現したのか。その歴史的背景を説明しなさい。その際、次の語句を必ず使用しなさい。

 クリミア戦争 総力戦 ウィルソン ロシア革命 国民
一橋大学 2010年度前期 世界史)

 

 国民国家の形成過程において、女性は家庭や育児に専念する存在として男性に従属させられていたが、19世紀半ばのクリミア戦争従軍看護婦となったナイティンゲールの活躍は、女性の社会参加に道を開いた。

 第一次世界大戦は銃後の女性や植民地の住民を含めた総力戦となり、女性も軍需工場に動員され、男性の仕事を肩代わりするようになった。

 国家が厳しい統制経済を実施して負担や義務を課して日常生活を規制すると、女性の間にもそれに見合った参政権の拡大を要求する声が高まった。

 さらに大戦中にロシア革命が勃発すると、社会主義理念の下で平等意識が高まり、ロシアで女性参政権が実現した。

 こうした影響を受け、イギリスでは第四回選挙法改正で、ドイツではヴァイマル憲法下で、アメリカ合衆国でもウィルソン政権下で女性参政権が実現した。

 


ご参考1)日本
1925年(大正14年)男性のみの普通選挙が実現
1945年(昭和20年)幣原内閣で婦人参政権に関する閣議決定

 


ご参考2)『虎に翼』脚本家・吉田恵里香さん(36)「朝ドラを書くのは長年の夢でした」
https://veryweb.jp/life/632726/

 

寅子が学生時代を過ごした昭和初期の法律は、今では信じられないくらい女性に不利な内容でした。女性が法曹分野に進むこと自体が周囲から理解されず難しい状況の中で道を切り拓いた寅子のような女性たちがいたおかげで、今の私たちがある。その過程を書きたいと思っています。

 


<感想>
NHK朝ドラの『虎に翼』は、昭和初期の男女不平等な法曹界において、女性の権利を切り拓いた痛快な内容。今後の展開が楽しみだ。

 

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