元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、日銀がYCCを柔軟化?

 

【 日銀の金融政策決定会合:YCCの柔軟化 】

 


 2023/7/31、高橋洋一さんが、現代ビジネスで、日銀の金融政策決定会合について、「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール。YCC)」に触れていた。
https://gendai.media/articles/-/114061?page=1&imp=0

 以下は一部抜粋。

 


27日(金)、日銀は金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール。YCC)の柔軟化を行った。

 


前回6月16日には、「長期金利の変動幅を±0.5%程度」とされていたが、今回は、「長期金利の変動幅を±0.5%程度を目途とし長短金利操作についてより柔軟に運用する」と修正された。

 

と同時に、毎営業日実施される指値オペについて10 年物国債金利0.5% から1%とされた。

 

役所らしい、回りくどい言い方になっているが、ざっくり言えば、日銀が許容する長期金利の上限は0.5%から1.0%へと引き上げられたといつていいだろう。

 


なんとも分かりにくいのが、今回の決定と日銀の物価見通しとの関係だ。日銀は28日の会合にあわせて3年間の物価見通しを公表し、今年度の消費者物価指数の見通しはプラス2.5%、24年度プラス1.9%、25年プラス1.6%としている。

 

インフレ目標2%についてプラスマイナス1%は許容範囲である。であれば、このタイミングで、YCCの柔軟化、つまり事実上の修正はよく分からない。

 

それが、結果的に市場の混乱を招いたのだろう。植田総裁は、今回の措置は前もってリスク対応を考えての措置というが、ビハインド・ザ・カーブの原則からもズレている。日銀は動く必要もないのに、下手に動いていると筆者は考えている。


※ビハインド・ザ・カーブ(behind the curve)
 景気や物価の上昇に対して、意図的に利上げのタイミングを遅らせる金融政策のこと

フォワード・ルッキング(Forward Looking)先を見越して金融政策を行うこと)

 


<感想>
 個人的には「日本債券ベアファンド(5倍型)」に投資しているので、日銀のYCCの柔軟化はありがたいが、このタイミングでの事実上の政策修正は「下手に動いている」と思われても止むを得まい。

 

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