元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、本来不要な国債減債基金?

 

【 2024年政府予算案 】

 


 2023/12/25、高橋洋一さんが、現代ビジネスに『「この国は借金漬け」は、相も変わらずマスコミの「印象操作」だ…2024年予算案に対してもついた「ケチ」』を掲載された。
https://gendai.media/articles/-/121635

 

 以下は、一部抜粋。

 


相変わらず歳出のうち国債費が大きいと報道されている。国債費の主な中身は、債務償還費16.9兆円(0.5兆円)、利払費9.7兆円(1.2兆円)だ。

 

日本では、国債に60年償還ルールがある。毎年国債残高の60分の1を一般会計から国債整理基金特別会計(減債基金)へ繰入れしたものが債務償還費として規定され、ちなみにその額は16.9兆円となっている。

 

海外の先進国では、かつては国債の減債基金は存在していたが、今ではなくなっているので、債務償還費の繰入れがない。

いずれにしても、日本の予算では、歳出が債務償還費分、歳入はその同額の国債が、先進国から見れば余分に計上されている。これは当年度に限れば「埋蔵金」である。

 

2021年度から、こうした批判を受けて、財務省フレームでも、国債発行額は財政赤字ではないので、「財政収支赤字(利払費相当分と政策的支出による赤字相当分の公債金の合計)は、18.0兆円」と注記している。実質的な国債発行額は34.9兆円ではなく、18.0兆円にすぎないが、マスコミ報道では相変わらず借金漬けだとか、印象操作を図っている。

 

さらに、利払費もおかしい。想定金利を23年度の1.1%から1.9%に引き上げたためというが、妥当ではない。これも筆者の国債課課長補佐時に、来年度中の補正を想定し、その財源のために、余分に利払費を「積んでおく」という慣行があった。

 

いくら日銀が金融引き締めになるといっても、現時点で短期はマイナス金利、長期は1%にもなっていない。長期で1%超、短期がマイナス金利から脱するとしても、各年限の加重平均が1.9%になる公算は低い。つまり、今でも「積んでおけ」は健在だ。おそらく1兆円程度過剰に積んでいるだろう。

 

いずれにしても、これは政府案にすぎないので、来年の通常国会で是非ともまともな国会審議をしていただきたい。より正しい財政の姿を国民の前に明らかにするのが、国権の最高機関たる国会の責務である。

 


<感想>
2024年政府予算案の内、国債発行額が減債基金として16.9兆円多く、利払費が想定金利1.9%前提で9.7兆円も見込まれている。
年明けの通常国会で、国民民主党の玉木代表等に、しっかりした審議を期待したい。

 

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