【 JR九州:唐池恒二相談役 】
今月(2023年3月)の日経の「私の履歴書」は、JR九州の唐池恒二相談役。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD207430Q3A220C2000000/
以下は、2023/3/4の同書からの一部抜粋。
国鉄の幹部候補生である本社採用組の試験は、国家公務員の上級職より難しいといわれていた。なぜろくに勉強をしていない私が誘われたのか。当時の国鉄は大赤字が続き財政は破綻状態にあった。単に経営が厳しいだけではなく、複数の組合があり複雑な労使関係を抱えていた。その頃の私は学生で、このあたりの事情まで深くは知らなかったのだが。
幹部候補生に、これまでのように勉強が得意なエリートだけを集めていてはダメなのではないか。もっと骨のあるやつを入れたい。そう考えた当時の高木文雄総裁は、学歴だけでなくスポーツなどの部活動に熱心な学生を採用すると決めたのだ。
希望者を待つだけではなく、これはと思う学生に職員らが声をかけていった。そうした背景があり、京大柔道部で主将をしていた私に声がかかったというわけだ。前年の本社採用組(事務系)は22人中18人が東大卒。しかし私の代は東大卒が半数を割り、柔道部、水泳部、応援団、ブラスバンド部など、さまざまな活動の経験者が採用された。
こうした経緯で採用された私の同期生は、それぞれの職場の先輩たちから酒の席などで「おまえらは体力採用だ」「頭悪いんだろ」と言われた経験を持つ。翌年も国鉄は同じ方針で採用を続けたが、この流れは2年で途絶えた。理由はわからない。この2年間だけ異色の人材を集めた格好だが、後に活躍する人材がかなりいたように思える。
<感想>
1977年に、高木総裁が国鉄の体力採用がなかったとしたら、現在の「ななつ星」や是枝監督の「奇跡」も生まれなかったかもしれないと思うと時の運を感じざるを得ない。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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